うつ病の経緯、シリーズ記事です。自分が入社時に希望した部署にアクロバティック過ぎる方法で配属されたのに、結局そこでもうつ病を再燃させて2度目の休職になり、リワークプログラムに参加して認知行動療法を受けることになった、という所までが前回までの話でしたね。
前回はこちらです。
第1回はこちらです。
ここまでの記事で、私は主に「ハラスメントを受けた」「ひどく仕事が集まる状況だった」「信頼できる人たちが部署や会社を離れて行った」というようなことが原因で自分の調子が悪くなったという論調で書いています。
それはそれでたぶん原因の一部として正しいでしょう。ストレッサ―がいて、ストレスを受ける。ストレスでうつ状態になり、慢性化してうつ病になる。
ですが、私がこの後に受ける認知行動療法と、そこからつながった臨床心理士のカウンセリングで、「そのストレッサ―」がなぜ「私にとってストレッサ―なのか」という根源の部分がだんだん明らかになってきます。
そのへんのところを一気に、ではなくても語っていけたらなと思います。
目次
- 2週間くらい寝続ける
- 睡眠管理と活動記録、躁or鬱状態に関するチェックシートを毎日つける
- 自己理解:「気分」「思考」「状況」の分別を身に着ける
- 例①:行動で身体の状態を動かす
- 例②:思考の部分も疑って気分を変えていく
- 基礎編、ここまで
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2週間くらい寝続ける
リワーク参加は決まりましたが、休職決定当時、私はほとんど布団から出られないような状況でしたので往復タクシーでクリニックに行って、リワーク参加面接みたいなのを受けた後、主治医から「2週間は寝ていてください」というような指示を受けました。
この面接ってのは採用面接みたいに怖いやつじゃなくて、臨床心理士さんが話を聞いてくれる形式で、「職場復帰を前提にしてるけど、それでいいのね?」っていう意思確認だったり、「これくらい欠席したら次のステップに行けませんよ」とか説明を受ける感じでした。その面接で2週間後くらいからの参加が良いでしょうと、まぁそういう風に決まったわけです。
私のほうとしても、いきなり会社行く代わりにクリニックに通うみたいなのは無理だと思っていたのでこの休息期間というのは、あって良かったと思っています。
睡眠管理と活動記録、躁or鬱状態に関するチェックシートを毎日つける
リワークでまず役に立ったのはこれですね。毎日の活動を全部記録する。その時の気分の良さを1時間刻み、10段階評価くらいで記録しておく。何をしたら気分が良いのか、悪いのか。何に不安を感じるのか、なにに恐怖を感じるのか、そういったことを後から客観的に見られるわけですね。睡眠と覚醒もこれで管理です。
そして、おそらく躁と鬱に関するものであろう50項目くらいのチェックシートを、毎日つける。これが意外と毎日変動するんです。例えば双極性のひとは大抵「うつ病」の診断がついて、双極性と判明するまでに平均で5年以上、10年とか、それくらいかかるって言われていますね。うつ病として参加してるデイケアで、このチェックシートによってそれ(双極性)がもう一瞬にして露わになったりするわけです。
これらを総合してみる事によって、どういうストレスがかかった時にどのチェック項目がつくのか、そしてそのときの気分レベルはいかがなものだったのか、というのが浮き彫りになります。もはやメンタルヘルス対策のために国民全員やってもいいような記録だと思いますね。
自己理解:「気分」「思考」「状況」の分別を身に着ける
これも大事でしたね。ある環境自分が見ている感じている生じているものを、それが何者なのか捉え、対処できる物かできない物か、対処するかしないか、といったことを仕分けできるようにするんですね。「自分で判断する」というのはとてつもないエネルギを使いますから、しない物にはしないで置く方がイイってわけです。たとえばこんな感じに、切り分けるんです。
悲しい→気分
車を運転している→状況
頭がおかしくなりそうだ→思考
これは例がとてもわかりやすいですが、自分が直面しているあらゆるものにこれを適用して切り分けてみてください。意外とできていない事に気が付いたりしますから。この切り分けたモノと身体は、図で表すとこんな感じにつながって影響を及ぼし合っていて、行動や服薬によって、部分的にある程度コントロールできるということを学びました。
このような状況に対して思考から、行動からのアプローチでしんどくない方法を探していきましょうというのが文字通り「認知行動療法」なわけですね。
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例①:行動で身体の状態を動かす
コーヒーや服薬でもいいのですが、身体に反応が出ているものを、行動で改善しようとするのが良い例でしょう。鼓動や発汗などは深呼吸などのリラクゼーション法で収まったりするのです。その呼吸法やヨガなどのリラクゼーション法も、リワークプログラムで同時に学びます。応用的なもので言えばリラックス音楽を聴いたり、アロマオイルを使ったりして行動によって身体に影響を及ぼすことができますね。
例②:思考の部分も疑って気分を変えていく
これは結構哲学的ですが、自分が当たり前だと思っている思考を疑ってかかり、それは本当に絶望的でこの世の終わりなのか、と気持ちの整理をすることも大切です。
例えばこの図の例でいうと「怒られたからって何か私に不都合があるのか」「この状況を作ったのは私だけのせいではなくマネジメントの問題である」といったことが考えうるわけですよね。そうすることで「怒られても怖くない(俺のせいじゃねぇ)」「この状況はこの世の終わりではない」ことがわかってくるわけですね。
基礎編、ここまで
このへんまで、私が受けた認知行動療法のきわめて基礎的な部分です。これは精神疾患ではない、いわゆる普通の人にもきわめて役に立つことだと思います。私のペースで続きも書きますので、続きはしばらくお待ちください。
リワーク編の続きです