分子を監視して動きの速い(高エネルギの)分子が近づいてきたときだけゲートを開いて分子を選別する「マクスウェルの悪魔」は、こういうのがいるっていう話じゃなくてそんなものは居ないから「悪魔」って名前がついてるんですよね。こんな滅茶苦茶なもんを想定しないと、エントロピ減少は実現しませんよというアイロニックな言い方なんですよ。
ネットコミュニティが大衆でも使えるように解放されていて拡大する場合、これは分子のエネルギと同様、人間の(某かの能力に関する)ポテンシャルでも似たようなもんです。facebookがハーバード大限定からアイビーリーグ限定そして全世界へと解放される流れの中で賢い人間を選別できなかった(しなかった)ように。
ネット上のあらゆる(自称を含む)「高リテラシー」集団は、解放・拡大時には「ご新規様」の選別ができないので情報リテラシーに関してエントロピ(ここでは「複雑さ」と考えましょう)増大は不可避です。マクスウェルの悪魔はいませんからね。最終的には大衆に混ざるんですよ。拡大路線をとる限り、いつか必ず不可逆にオワコン化します。
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大衆に混ざったモノの例
まず大衆って何でしょう。まぁ、手垢のついた例ですが「運転免許センター」を想像してください。あの、免許を更新したりテスト受けたりするところです。あそこで出会う人たちの、あの感じくらいが平均的な日本の大衆だと思います。もちろん変なのが目立つだけで、玉石混交です。webサービスがあんな感じになることを「大衆に混じる」ことだと私は思います。要するにすっげぇアレな感じです。アレって何か敢えて言いませんけど。
そこまで行ってしまったものと言えば…ニコニコとmixiとかかな?いやごめんなさい、これらはもう触ってもいないからあまりいい加減なこと言えないです。途中からもう触る気にもならなくなりました。
玉石混交で変なの目立っちゃう具合で言えばツイッターも大衆にかなり近いか…まぁあれは絡む人を選べるから、一応いつまでたっても使えるでしょう。
facebookは閉鎖的だし基本実名なぶん少し異質。ヤフコメとか知恵袋はオワコン化したというより最初からあんな感じでしょう。youtubeは作る側と観る側の乖離が凄まじい気がします、観る側はもう大衆そのものですね。
使いやすくて爆発的にユーザー増やした物ほど・・・
オワコン化した(と私が思ってる)ものも当時は、画期的で使いやすくて面白いサービスだったんですよね。それ故に爆発的にユーザーが増えたから大衆に混じっていったともいえるんです。エントロピがね、一気に増大して。
(熱力学や統計力学やった人は少なからず、エントロピを一般の事象に当てはめて話に花を咲かせたこと、あるでしょ?学生時代が懐かしくてやりたくなったんですよ。ごめんなさいね。こんな話で。)
自分の属するコミュニティを大衆化させたくない問題
これあまり言及したくないですし、そもそも何も言えませんね。気持ちはすごくわかるけど、自分が参入するときにも、ご新規が来る時と同じようにやっぱりエントロピ増大させたわけですし。立ち上げの時のメンバーでもない限りは。
解放されてるところはどこにも大衆化の流れはありますよね。そこで変なのが増えてきていざエントロピ減少させるべく異分子だけ排除しようとしても、コミュニティ内で「どれが異分子か」のコンセンサス得られないでしょ。だからそれは筋が悪いですよね。分子を選べるマクスウェルの悪魔はやはり居ないのですよ。
ツマラン奴を追い出す唯一の方法はオモロイ奴が消える事かもね
結局終わっていくweb上のコミュニティってほぼそういう運命辿ってるのかな。こういう、大衆が流入して大衆に埋もれていく流れを打ち破って、面白くあり続けた例ってあるんでしょうか。あったら知りたいです。