ブロブロスキーのブログ

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「マイナス0.5ゲーム差、マイナス1ゲーム差」はなぜ発生するのか。上位決定の仕組みとゲーム差という指標

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プロ野球で時々起こる珍事の話です。

 

2017年7月から8月にかけて、首位楽天と2位ソフトバンクがゲーム差(勝ち越し数で言い換えてもいい)ではソフトバンクが上なのに楽天が上位(つまり、ゲーム差マイナス)になっていました。NPBでは勝ち越し数よりも引き分け試合を除いた試合数での勝率を優先して順位を決定するので、ゲーム差はあくまで参考程度の数値であることがまず大前提です。

 

マイナスのゲーム差。これは雨などで試合の中止が多かったり引き分けが多かったりするときにわりとよく発生する物です。

 

極端な例で見ると分かりやすいので、簡単に解説しておきましょう。

 

目次

 

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極端な例:55勝45敗0引き分けのチームと、15勝10敗75引き分けのチーム

今はドームがあるのでそんなに中止のゲームが増える事は無いのですが、消化した試合数が異なっていたり、引き分けの試合が多くなってくると、これが起きやすい状況になります。

 

この見出しの場合だと、55勝45敗、貯金10のチームは勝率.550。

一方15勝10敗(引き分けの75試合は計算に入れない)、貯金5のチームは勝率.600。

この場合、ゲーム差はマイナス2.5で15勝10敗のチームが勝率で上位になります。

 

これが、パリーグで起きている「マイナスのゲーム差で首位」のからくりです。簡単でしょう?現在のNPBは勝率の計算に引き分けの試合は含めませんから、こういうことは起きても不思議ではないわけです。

 

加えて雨による中止、日程の問題などでシーズン途中にはすべての球団が同じ試合数を戦っているとは限らないのです。ゲーム差で並んだ時に試合数の少ない(もしくは引き分けの多い)チームが上位になるのも、この計算方法によるものです。

 

某元オーナーがこれに怒って勝利数で順位を決めることにしたシーズンがあったのですが、いつの間にか元に戻っていましたね。

 

全試合消化することを前提にするとどっちが有利か

プロ野球の試合の勝率を全チーム5割だと仮定すると、貯金が多い下位チームが有利になります。「ゲーム差」という指標は、この立場に立っているといえます。

 

ですが、試合数の多い側も少ない側も残り試合をだいたい今までの勝率で最後まで試合消化すると仮定すると、上位のチームが有利です。そりゃそうです、ルールでは勝率で順位を決めてるんだから。

 

だからこの二つの指標を併記した場合に矛盾みたいなことが起きるわけです。

 

 

別にややこしくなんかない

貯金が多い方が上位にならないことがあるというからくりは、極端な例で考えると全く難しくないと思います。勝率の差を表記するよりわかりやすい指標を使っているにすぎませんから、時にはこういう事態も発生して当然なわけですね。