特にアルコール依存症の診断などは下されていませんが、ある年のGWから断酒を継続中です。私がうつ病になって、もろもろの服薬を始めたのはもっと前です。絶対にやってはいけない事ですがアルコールと精神科の薬を一緒に飲んでいた時期も数年単位であったということになります。医師からは当然止められつづけた(医者に飲酒を隠してはいなかった)のですが、「眠らなければ」という思いで流し込んでいたような荒んだ時期がありました。
今思えば、これはかなり苦しい時期でした。服薬&飲酒で前後不覚になって気絶したように眠り、7時間程度で我慢できない尿意によって強制的に目を覚ますのです。だんだん、こうすることでしかサラリーマンとしての生活リズムを保てないような強迫観念にとらわれて、いずれ毎日の悪い習慣に・・・。という感じで寝酒がやめられなくなっていました。
この間は寒くても汗をダラダラかいたり、毎日お腹を下したり、ところどころ記憶が飛んでいたり。食への衝動が抑えられずに20kgくらい太るわ、眠りこける直前に気が大きくなって知人に変なメール送るわ、そりゃもう大変でした。
こんなのが毎日(恐ろしい!)になって約3か月、自分の行動に危機感を持っていた私は、GWに予定を一切いれずに、禁酒(後に断酒に移行)を決行したのです。何かの参考になればと思い、その時起きたことを書いておきます。
目次
- なぜ連休に禁酒を始めたか
- 禁酒1日目 寝付けず、寝汗が滝のように
- 禁酒2日目 徹夜だったので昼寝を防ぐ必要があった
- 禁酒3日目 酒特有のうつ状態が緩和?
- 禁酒4日目 外出で気を紛らわす
- 禁酒5日目 この機会に禁酒から断酒へ以降
- どうやって欲求を抑えたか
- 禁酒(→断酒)6日目以降
- 結局私は依存症だったのか
- 学んだこと
- 他人には勧めないけども
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なぜ連休に禁酒を始めたか
身も蓋もないですが、連休であること。これがキモです。「もし眠れなくても、翌日以降仕事がないから大丈夫」と思えるタイミングがここしかなかったからです。眠れなくて体調を崩しても、昼夜逆転しても、9連休でしたので調整できる可能性が高い。この事が私の心の支えでした。
実際体験してみると、無いと眠れないくらいの寝酒が習慣化している人が仕事をしながら禁酒や断酒を始めるタイミングはGWか夏休みくらいしかないのではないかと思います。年末年始は多くの人にとって不可能な理由が多いのはわかるでしょう。
ただし、診察を受けたら依存症の診断が即おりるような人は、そんな悠長なことは言ってられないと思います。入院からの自助グループの道しかないでしょう。ここの情報は「予備軍かも」くらいの人にしかあてにならないと思います。
禁酒1日目 寝付けず、寝汗が滝のように
1日目は、飲まないでいることはできたものの、睡眠導入剤を飲んでもまったく眠れませんでした。すんごい寝汗が出て、布団がビジョビジョになるくらいでした。汗が出るのは特に脚で、ふとももの辺り。それと頭です。典型的な小離脱だと思います。
空嘔吐って言えばいいのか、オェェェッって吐きそうになりまくりました。
ゼロカロリーのコーラを何本飲んだかも覚えていませんが、アルコールの代わりに流し込んでいました。
禁酒2日目 徹夜だったので昼寝を防ぐ必要があった
結局眠れず徹夜明け。昼間に眠りこけてしまって生活リズムを乱すことを防ぐために、あえて海釣り施設の開園に合わせて釣りに出掛けて閉園まで居座り、家に帰ってシャワーを浴びて夕食を摂って、20時くらいまで持ちこたえてから導入剤を飲んでから眠りました。この日はぐっすり眠れました。ビックリするくらいあっさりと。
禁酒3日目 酒特有のうつ状態が緩和?
8時ごろ目が覚めました。12時間眠った後の3日目は、とても良い寝起きでした。しばらく経験したことがないほどの爽快感の中で目が覚めました。この日中は主に散歩をして過ごしましたが、空も山も花々もこんなに色鮮やかだったっけ?と思ってしまう、不思議な感覚でした。うつ病のひどい時は世界が灰色っぽく見える時がありますが、これまでの数か月間はその時に近い状態だったのだなと思い知りました。
久しぶりにモヤが晴れたような1日を過ごせましたが、この夜は前夜の12時間睡眠が祟ってなのか、導入剤があっても3時間ほど寝付けませんでした。この時もまた滝のように寝汗を書きました。大離脱期のような症状は出ておらず、相変わらず小離脱が続いていたのだと思います。この日も、いつも飲んでいた時間帯にさしかかるとオェェェッてなってました。
眠れないならそのまま徹夜してもう一度釣りに行こうかと考えましたが、ゼロコーラをがぶ飲みしながらも横になってたらいつの間にか眠っていました。
禁酒4日目 外出で気を紛らわす
4日目は3時間睡眠。やや睡眠不足な感じで起床。これくらいが次の夜眠るのにちょうどいいと思い、昼寝をしてしまわないように外に出てとにかく歩いて買い物などをして過ごしました。
この晩はまたゼロコーラをがぶ飲みで布団にもぐったら寝不足のおかげで寝つきは良かったです。寝汗も、空嘔吐もなくなりました。
禁酒5日目 この機会に禁酒から断酒へ以降
この日から私は「(いずれ飲むことが前提の)禁酒」ではなく「(もう飲まないことが前提の)断酒」に移行しようと決意しました。もう、飲みたくなくなかったから。
その理由は、あの寝汗と吐き気&空嘔吐があまりにも辛かった。
余談ですが、うつ病になって服装や持ち物が派手になる人がいます(それで非難される人もいます)が、こうやって色の見え方が変わる経験してみると、派手な格好してる本人にはそこまで鮮やかな色に見えていないのではないかと思いますね。
どうやって欲求を抑えたか
あっさり5日目まで書きましたが、飲酒欲求はなかったのか?というと、超ありました。1日目や3日目の眠れない時なんか、当然のように買いに行きそうなりました。
どうやってこれに対処したか。というと、まず心構えとして「今日眠れなくても、明日は予定がないから問題ない、眠ることより禁酒の方が優先だ」と念じまくりました。精神論は好きではないですけどね、こればっかりは・・・
そしてもうお解りの通り、GW前に種々の断酒サイトを調べていた私は「炭酸飲料でお腹いっぱいにする」という作戦をあらかじめ立てており、ゼロカロリーのコーラをしこたま買い込んでおいたんです。寝酒を飲みたくなったらとにかくこのコーラを飲みまくり、また床に臥せる。数十本単位で買い込んだと思っていたコーラはGW中にあっという間になくなって、追加で買い足すほどでした。
禁酒(→断酒)6日目以降
6日目から、生活を送るのに必要な睡眠時間が減り、寝起きがだいぶ楽になりました。これ以降は2日に一回若干の寝不足になるものの、徐々に波が小さくなっていって2週間後には寝床の横にコーラを常備しておかなくても安心できるようになっていました。寝起きが楽になったとは言いましたが、うつ病が治ったわけではないので特有の寝起きのつらさは残りました。しかし、もうあの状況(毎日ブラックアウト)には戻りたくないという思いで、酒からは離れていられます。今は飲み会に出ても飲みたくはなりません。
そして、断酒3日目に感じたような爽快感、空が青いとかの色彩に対する喜びが10日目くらいから当たり前のように喜びとして感じられるようになりました。鈍磨していた感情が徐々によみがえっていくような感覚でした。これが一番大きいですね、うつの症状だと思っていたものが、一部は酒のせいだったっていうのは衝撃でもありました。関連があることくらい調べたらわかるんです。でも飲んでいるときはそれを否認したくなるんです。これは完璧に依存症の構造です。否認の病ですから。
ちなみに散歩の習慣があったおかげか、20kg増えた体重は1年くらいかけてひゅるひゅると元に戻っていきました。
結局私は依存症だったのか
診断おりるくらい完全に依存症だったのなら、こんな簡単に、一人の意志ではやめられなかったのではないかな。しかし、片足くらいは突っ込んでいたと思います。大離脱っぽいのは無かったですが、小離脱のようなものはしっかり出たわけですからね。
学んだこと
世の中アルコールの害に対してずいぶん甘いということを経験として学びました。依存症の悲惨さについて、ネタにせず啓蒙が進むことを祈ります。
他人には勧めないけども
健全にお酒飲める人には私は断酒を勧めたりはしません。うつ病の人で寝酒する人は、是非やめましょう、連休潰してでも。連休はチャンスです。準備しましょう。