今日は暖かかった。昼休み、メシも食わずに3kmほど散歩してしまいましたよ。歩くの大好きです。この後はクッソ寒いのもせいぜいあと1週間くらいで、得意のネガティブ思考で「寒の戻りがある」と言ってもちょっと雪がちらつく程度で済みそうだな、とそんな安心感を今日の陽気は連れてきてくれました。春は好きですか?何を思い浮かべますか?
私は出会いの季節とかとか別れの季節とか言われてもピンときません。だって私はいつでも気軽に引越し転校させられまくっていた転勤族の子なものですから。真夏のギラギラの太陽のもとでも、冬の猛吹雪の中でも、紅葉が燃え上がる秋にも、私は出会いと別れの思い出があるのです。そういう意味で春は特別ではありません。春にはもっと特別な思い入れがあります。
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春は花が咲き乱れ、生命が動き出す
そんな私が春に対して何か思い浮かぶこと。決定的なもの。そういうのがないかと言うと、そんなことはないですよ。咲き乱れる花々、動き出す生命。それらを眺めることの喜びは、他の季節ではとても代替できない喜びであります。
そう、花見です。と言っても、桜の下でどんちゃんやる花見ではありません。私が好きなのは、ひとりで歩きながら花吹雪をくぐる花見や、心を無にして山桜に囲まれてヘラブナ釣りをするときにする花見です。ブッコミ釣りで鯉を釣るときに花を堪能するのもたまらないですね。釣りものは別にブラックバスでもナマズでもいいんですが、それらのルアー釣りは忙しくて花々を満喫できません。
釣りは自然と一体化できる
腰を据えてじっと待つ魚釣りと、山桜の相性は抜群です。私はこの喜びを伝えることで一人の人間を救ったという自負があります(ちょっとエラそうですけど)。これが、春をとても思い出深い季節にしています。
大学に来ない奴を釣りに誘った
大学生のころ、学年が変わったのを機に大学に来なくなったやつがいました(けっこういるでしょ?)。私は彼に「大学に顔出せ」とは言いませんでした。ただ、科目の履修登録だけは私が科目を選んで無理矢理やらせましたけど。
アパートでただ寝てばかりいる彼をひたすら、私の空いている時間にヘラブナ釣りに誘ったのです。私は複数のヘラ竿を持っていたので道具も心配ありません。手取り足取り教えると彼は見事にハマり、来る日も来る日も、雨の日以外は私たちは咲き乱れる花々の下で、ポカポカと暖かい陽気の中、水面に写る山桜を見ながら無心でヘラブナ(半分以上マブナでしたが)を釣りました。二人で原付を走らせて、ポイントを開拓しながら。暗くなったら原付でラーメンを食いに行き、次に行ってみたいポイントなどを地図を見ながら語りあいました。
私は忙しくても、彼は釣りに夢中だった
私が実験などで長時間離れる時も、彼はずっとヘラブナ釣りをしていました。私は戻ってきたらまた、隣でヘラブナを釣りました。
無邪気に釣果を報告する、完全に感情と笑顔を取り戻した彼がそこにはいました。この間2か月ほどでしょうか。
全部準備してあげて、テスト勉強を一緒にした
そしてやってきたテストの時期。私は思い切って、自分で解いておいた各科目の過去問の回答と、とっておいた講義ノートとメモのコピーをすべて彼に渡し、「一緒に勉強しようぜ」と迫りました。
そしたら彼、勉強するする。出席無しでテストだけで突破できるのは一部の科目だけですから、シラバスに評価基準がテストであると明言されている科目を中心に集中的に一緒にやりました。結果彼は、集中した科目のすべての単位を取得し、留年を免れました。
そんな彼は今
そんな彼は今、筆頭著者として複数の論文を書き、ドクターとして研究の仕事をしています。
そのきっかけを作ったのは間違いなく春のヘラブナ釣りだったと思います。これが春の釣りの威力ですよ。これ作り話じゃないですよ。水面と山桜は神ですね!