ここでは、スキーにおける基本姿勢「ポジション」を、多く出回っている情報とは違う観点からその作り方を考えましょう。
この検定対策系シリーズの記事郡は指導員資格のない我流スキーヤーの私が、「検定受からない病」の迷える子羊に贈る「感覚的な何か」です。
スポーツってのは「こういう姿勢、フォームになっているから違う」と指摘するだけ、そして理想の姿勢やフォームを見せるだけじゃ、センスのある人しか上手くならないんですよ。
動作の結果の間違いだけを相手に指摘して、理想の滑りという動作の結果だけを要求するのは、スポーツの指導とは言えません。はっきり言いまして、基礎スキーの現場はそういうのが多いです。
私が実際に基礎スキーの指導を受けたのは1級の事前講習だけですが、やはりそういう所がありましたし、雑誌のどこを読んでもほとんど論理展開がこういう感じです。
小年野球の練習で、お前は大谷翔平やダルビッシュとフォームが違う、と指摘してから、大谷やダルビッシュのピッチングフォームを上映するだけでみんなそのフォームになりますか?
この場合だったら、プロがどういう身体感覚でその動作をしてるのか、説明してあげなきゃいけませんよね。
もちろん理論は大切ですよ、どういう姿勢、フォームが合理的かっていう事は教育者たちでじゅうぶんに議論を煮詰めるべきです。だけど、その、上から降ってきた理論を説明するだけなのは指導じゃないってことです。
その動作にたどり着くための、身体を動かす感覚を、自分がやった時に何を意識したらうまくその姿勢になったのか考えて言葉にしてから、人に教えましょうよ。
だから、私はこれから今後、スキー教程を読まずに自分が感じたままの我流の検定対策などの記事を書きますが、それぞれの種目でその姿勢にたどり着くための「身体感覚」を重視して語っていきます。
検定で使われる用語すら知らなかった我流野良スキーヤーが感覚で語るからこそ、価値のある内容というのもあるはずです。
ただし、感覚は人によって少しずつ違うので、今後書くことはあくまで私が意識した身体感覚だとご承知おきください。そう意識したら必ずしもみんなうまくいくとは言えません。が、上手い人の動画や実演を見せてお前はそれと違うと指摘するだけよりはいいと思ってのことです。
そして今言ったように、感覚なので、感覚が正しいとか間違ってるという言論は私にはかすりもしません、目指すべき結果が間違ってる場合のご指摘はありがたく頂戴します。
さぁ、この記事はブロブロ君が仕事で初登場、いっぱい出てきますよ。嬉しいでしょ?カワイイですからね。あ、ブロブロ君っていうのは当ブログのマスコットです、こうやってつくられました。
今日はまたパワポを駆使してスキーのポジションの作り方を説明しましょう。
目次
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平らなところで基本ポジションを作る
まずは傾斜のないところで基本ポジションができていないと当然斜面の上でそれを作ることなんてできませんね。
2級取ったくらいのレベルでも、まっ平らなところですら基本ポジションが悪い人が結構います。
で、その基本ポジションの作り方ですが。多く語られるのが、「垂直跳びして、着地したときの姿勢」というやつです。わかります、これはいいポジションです。
でも、初級者にこう教えると後傾のポジションを作ってしまいます。スキーが上手い人はスキーが上手いから、スキー靴履いてジャンプしておりたらブーツのタンにぐっと力を加えられるんですよ。それが緩和したところがいいポジションなんですよ。
そういう感覚が薄い場合、スネもふくらはぎもブーツに押し当てないで衝撃を膝で吸収しますから、お尻だけ落ちて後傾姿勢になります。
じゃあ私はどうやってポジションを作るか。
「体を伸ばしてテールが浮くくらい前のめりになって、お尻を落とす」です。下の図を見てください。ブロブロ君、仕事で初登場です。
スキーに慣れてない方はこのテールが浮くくらい前のめりになるのは怖いかもしれません。腰や背筋を曲げると倒れますから気を付けてください。首も曲げないでくださいね。
ショートスキーでなければ、板がぐにゅっと曲がってスキーのトップだけで立てるはずです。図はちょっと板の曲がり方が大げさすぎるかもしれません。テールが浮く瞬間にふわっと浮くような感覚がありますよ。これやるだけで楽しい。
そしてこの時の体の角度を覚えておいてください。ここから意識してほしいのは、この上半身と膝から下の角度を保ったままお尻だけを落とすこと、背筋を曲げないことです。
すると、右の図のように、スネの前傾角、上半身の前傾角がそろうはずです。この時のスネの感覚は、タンに触れている、という感じで強く押してはいません。
ただしこれも感覚なので、この図の角度がビタリと一致しているとは限りません。図ではなくて感覚を覚えてください。
青い点線は地面に垂直な線です。斜度があるときはこれが傾くわけですね。それは覚えていてください。
斜度のあるところでの基本ポジション
上で説明した基本ポジションは、上級者が意識しすぎるとたぶん前傾過多になりますので注意してください。そのくらいの人は前傾過多には自分で気付けると思いますが。
で、平らなところで基本ポジションができたら、次は斜面の上でそれを行うわけですが、「平らな面に対して垂直に立つ」感覚というのは斜面の上では後傾になります。なので、「斜面に対して垂直」に、さっきの姿勢を作るのです。図を見てください。
斜面があるときにも基本的に平らな時と同じ姿勢をとるわけですが、斜面がある分ちゃんとその傾きに合わせて傾かなければなりません。黄色い点線が斜面に垂直な線です。
結構多くの人が思っているより前に傾かなければこれが維持できませんよ。この斜面に垂直の意識、というのは結構どこにでも書かれているありふれた情報ですね。緩~中斜面での「直滑降」で足が腰の真下にあってふらつかず、しっくりくるように練習してみましょうね。
ちなみにですが、今回初登場した「横向きブロブロ君」もモデルなしでパワポでつくりました。ちょっと違和感ありますが、なかなかカワイイですね。
大回りでも小回りでも、板を平行にしたまま曲がれない(踏みかえ動作が出る)という人はこの「ポジション」が狂っています。ほぼ後傾です。
スクールで「踏みかえ出てるよ」だけ言われても、どう直したらいいかわかりませんという人、いますよね。原因はポジションなんですよ。ポジション悪いと、真ん中に乗れてないので、どちらかの足で踏ん張って体重を抜かないと板を動かせないんですね。だから踏みかえ動作が出るんです。
原因の100%がこれとは言いませんが、80%くらいはこれですので、まずポジションの確認をしてください。
パラレルターン(もどき)で大回りで踏みかえが出る人は、まだ2級レベルに届いてないので検定は先延ばしにして、ポジション確認して練習です!ポジション良くなったら、たぶんすぐできるようになりますよ!
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ターン中は斜め下に滑る「ニュートラル」がある
さて、スキーではターンとターンの間に少なくとも一瞬、左右どちらもエッジングしていない瞬間「ニュートラル」というのがあります。
このときも、やはり上で書いたような基本ポジションの姿勢になる(ひねり系ターンだと脚はひねってますが)わけですが、この時は斜面に横向き(正しくは斜めです)に立っているわけですよね。
この時も、「斜面に垂直に立っている」という事はとても重要なので、意識してみましょう。まだパラレルターンができない人にも、とても大切なことです。正面からの図を描いたので見てください。
この黄色い線に沿って立っていないと、二つのスキーに均等に力が加わりませんね。
言い換えると、自分がニュートラルだと思っている瞬間に「どちらかの足が重い」とか「スキーを持ち上げようとすると前か後どちらかしか上がらない」と感じるときはポジションが乱れています。この姿勢を作ることができれば、足を操作するのに必要な力が小さくなるのでエッジングしたりひねったりしやすくなるわけです。
さて、ここは一番はじめに書いた技術論なわけですが、これが一番重要です。ポジションが悪いと、私が今後書いていく検定対策などで、やってもらおうとするスキーの操作ができないと思います。
さあ、迷える子羊のみなさん、スキー検定カテゴリではこれから検定対策を書いていくので覗いて行ってくださいね。
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