ここでは、バッジテスト2級に受かってから、1級受験までの事を書いていきます。これも長いです。
さて、前回の記事では緊張しすぎて恐怖すら覚えたバッジテスト・SAJスキー検定2級編をお届けしました。
死ぬほど緊張しましたが、無事合格しましたね。このなかで、この検定受験がなかなか苦痛だったことはお分かりいただけたかと思います。自分で書いたものを読み返してみると懐かしくて楽しいんですけどね。
ちなみに、私のスキー歴から知りたい方はこちら。
もちろん、私は2級で終わるつもりではなかったし、検定のために借りたスキー板はそもそも「1級まで」と言って借りた物です。
ですので、2級に受かってホッとしたのも束の間、帰りの車を運転している頃には次の1級に向けて新たな不安が。
「2級受かって、1級受からなかったら、私は今後、検定の事きかれたら2級スキーヤーですと名乗るのか、それは嫌だ、とらないほうがマシだったかもしれない」と考えていたのです。いま2級の人や、2級を目指している人、ごめんなさい。
私は野良とはいえ、2級レベルと言われるとちょっと腹立つくらいにはスキーできると自負していましたので。(今となっては、2級でもクラウンでもどうでもいいと感じていますが)
そんな不安に襲われながら色々おこなったことも、今となってはなかなか楽しい思い出なので、語っておこうと思います。
ちなみに2級受かったぞと友人に言ったら「おめでとう!」と言われましたが、その時にはもう1級のプレッシャーにやられていましたので全然嬉しくありませんでした。
さて、この記事の流れは2級受験の時と同じでいきますね。準備の所から話します。
目次
- 2級受かって家路につき、帰って即、雑誌を読みDVDを観る
- 検定を受けるスキー場を決める
- 1級種目の練習をする
- 長野県の某スキー場で受付を済まし、事前講習を受ける
- 午後になって、検定開始!
- 合格発表までの待ち時間
- 合格発表
- 感想
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2級受かって家路につき、帰って即、雑誌を読みDVDを観る
私は2級に受かって車を何時間も運転して帰ってすぐに、風呂に入らず雑誌を読み始めました。(DVDは風呂入ってから観ましたが)
1級の検定種目は4つ。「パラレルターン大回り」「基礎パラレルターン小回り」「パラレルターン小回り・不整地」「横滑り」です。
各100点満点で、400点満点中280点が合格ライン。各種目70点をとれば合格で、種目ごとの足きり点はなく、失敗しても他の種目で挽回できる仕組みになっています。
「横滑り」は、2級受験の時に事前講習を見学していたのでどんなことをするかだけは知っています。「斜め下にずれていって方向転換するんだろ(適当)!」
「パラレルターン大回り」は「基礎」がついていません。ずらさないってことだな(適当)!
「不整地」これはどうやらコブを滑るようです。あ、それ得意だ(適当)!でも書いてあるのは私の知ってるコブの滑り方じゃない。
「基礎パラレルターン小回り」は2級と同じ種目です。2級の時は66点でしたが、1級は合格点が70点!?受からねーじぇねーか。
…でもこれについては2級受験の時に私は勘づいていました。各種目せいぜい68~72くらいにおさめてくるのだろうと。
2級を取った時に「爆加点(4点、5点プラス)を取った人の話」をスクールでされたけど、それは多分、有名なスキーヤーだったりが、競技引退後に受けた場合や、事前にプライズ持ってると検定員が知ってたりする時だけしか起きないはずだ、と。
これは、当時と違って基礎を何も知らない状態ではない今でも感じています。スキー検定の点数付けは、絶対評価ではありません。受ける検定ごとに基準点があってそこからプラスマイナス幾つ、と評価しています。絶対評価なのは建前だけです。
さて、風呂に入ってから、DVDを観ます。
大回りは、フルカービングを目指すものではないようです。「適度なズレ」という言葉が出てきます。谷回りでズレの要素を入れ、ターンマックスから山回りにかけてキレで滑ると美しいという事のようです。
ここでもやっぱり外足と外向傾のことを言っています。こっちが基本になりましたって。
・・・いや、それ当たり前だから!え?いままで違ったの?嘘でしょ?(しつこいですね、2級検定のときも言いました)
小回りは、「2級よりレベルを上げて滑りましょう」って、おいおい。なんか論理的におかしくねぇか、そのアドバイス。レベル上げるためにみんなこの教則DVD観てるんじゃないですか。完全に指導者目線。2級検定ではみんな手を抜いてヘタクソに滑っていたという前提のような話し方です。
毎度のことですが、ゴチャゴチャ文句言うのはやめましょう、小回りを何度も観直します。
ハッキリ言ってたのは「ワイパー小回りはダメよ」ってことですね。2級では許してたけど1級ではダメよってことですね。
ちなみに、2級を受けた時ゼッケンが隣でよくお話をした中学生(2級受験記を参照してください)は、合格発表後に先生から「ワイパー小回りになっている」と指摘されていました。点数だけ見たら小回りだけ64にされて落ちていました。かわいそうに。
もう何を信じていいかわかりませんね。
でも私は雑誌DVDしか縋るものがありませんので、落ちるまでは雑誌を信じることに決めていました。ほら、2級はそれで受かったし。
次に横滑り。斜めにずれるのね。ずれ落ちる方向に腰を向けるのね。はい、わかりました(適当)。
歯にモノが詰まったような説明がされてました。新種目で、まだスキースクールの現場でも混乱があったのだと推測されます。(実は、「横滑り」種目では方向転換のターンをけっこう重点的にみられているのは雑誌では触れられておらず、当時知る由もなかったのでした)
コブの所は、観てみましたが「飛び出さずに完走を目指すには!」と言うレベルだったので、DVDは無視。一応雑誌に「弧を描け」と書いてあったので真っ直ぐ降りない、板を左右に動かすように心掛けることにしました。できるかな?
検定を受けるスキー場を決める
まず、日程調整です。一回は練習しないとヤバイことは2級で痛感済みですので、2級検定から2週間後の検定を探しました(雑誌に日程がまとめられていました)。
その中で、まあ割と基礎スキーが盛んらしい、長野県の某スキー場を選択しました。ここで取っといたら文句ないでしょ?っていう感じです。
と言うのも、スキー検定って採点基準はどこでも同じとされていますが、明らかに難易度が会場ごとに違う、と当時から感じていました。これはYoutubeなどでいろんな検定風景の動画を見たりして感じていたことです。
現在の私は、断言します。会場や、もっと言えば検定員ごとに難易度は全然違います。
特に、名門を名乗っている所は無駄に厳しく採点されています。検定なのだったら、全国に通用する必要があるはずです。言い換えれば、「採点基準が同じである」ことに価値があるはずです。
それをわざわざ「名門スキー学校」がぶっ壊しています。基礎スキー界には「検定合格が難しいスクール」をブランド化する風潮がありますが、そういうのがそもそも「検定」の価値を下げていることに、気付いて欲しいですね。
はい、話がそれました。私の悪い癖です。
長野県の某スキー場で2週間後に検定を受けると決まったので、翌週はそのスキー場に練習に行こう、という運びになりました。
1級種目の練習をする
まず、2級の検定の時に検定員さんから「大回りで外向が強い」という指摘を受けたので、その確認です。
この時意識したのは、ニュートラルから谷回りに入るときに「腰は正対、胸から上はやや内向」という事でした。
なぜこの発想になったかと言うと、2級を受ける前に一緒に撮りあった動画を観て、友人のテク持ち基礎スキーヤーの動きがそういう風に見えたからです。私の大回りは腰ハズレでした。それは2級対策のときに研究しましたが、不十分だったようです。あくまで何度も書いてきたように、我流、見よう見まねの世界なんです。
数本で感覚がつかめてきました。ビデオを観たいところですが、一人で来たので、これでいくことに。
次は、小回りです。種目が同じなので特に滑りを変えるつもりもなく、ちょっとスピードレンジを上げるくらいでいいかな、と思いました。
そして、コブ斜面の視察です。コブ斜面はそんなに多くなかったので、全部の斜面の全部のレーンを滑ってみました。といっても、全部で8本くらいですかね。コブから外へ発射しないように慎重にスピードを殺して滑りました。全部完走できたので、まぁ1回目の検定はこれでいくか、という感じでした。
さあ、残るは問題の横滑りです。DVDで先生がやっていたのを思い出して、やってみます。お?これでいいじゃん、と1本目で自分に合格点を出せる感じになりました。私はスキーヤーとしては物まね師なのかもしれません(笑)
長野県の某スキー場で受付を済まし、事前講習を受ける
さて、練習から1週間が経過しました。その間私は、Youtubeでひたすら1級の前走の動画を観ていました。イメージトレーニングして、これで行けるぞ、と。
さあ、スキー場に到着です。(気軽に毎週行ってますが、毎週片道6時間以上を1人で運転して日帰りしてました、キツかったですよ)
よく考えたら、初めてカービングスキーを履いて4滑走日目で1級検定です。無謀な野郎だぜ。
スクールで受付をします。1番のゼッケンを手に入れてしまいました。しまった、と思いましたがもう後戻りはできません。1級は事前講習というのが必須です。安くない検定料と安くない講習料を支払って、いざゆかん、事前講習へ!これが人生で初めてのスキースクールです!
ついてみると、生徒は私だけでした。プライベートレッスン!他の人の滑りを観られるのが楽しみだったのに…と思いながらも、ちょっとお得な気分になりました。
事前講習は、1回受けるとそのシーズンはずっと有効なんです。だから、検定で1人なんてことはないだろうと思ってはいましたが、正直言って1人で検定だったら最悪だなと思いました。
ともあれ、初めての「スキー指導員から受けるレッスン」です。もう緊張して、リフトではずっと検定員の先生と一緒です。震える声で先生とあれこれ話します。2級はどこで取っただの、スキー歴何年だの、どこのスキー場が好きだの。
肝心の講習の話に移りましょう。まず、横滑りをみてもらいます。
「検定であれこれは言われないと思うけど、●×△×○▲」とアドバイスをいただきました。(意味不明だったので覚えていないのです)
気付きを得ることはなく横滑りを何本か滑った後は、大回りの講習になります。
この時は意味の分かるアドバイスをもらえました。「スキーの前後差をつけすぎ、外スキーを少し前に出して」と言うアドバイスでした。
やってみたら、メチャクチャ違和感がありましたが、「よくなった」とのお言葉。ありがとうございます!
続いて小回りの講習です。数本滑りましたが、「はい、いいですね」を連発されました。本当にいいのか?ダメすぎて言う事すらみつからないのか?と不安になりました。
最後に、不整地小回りの講習です。コブ斜面ですね。まず、先生が滑って下へ行くのですが・・・なんか、ぎこちない滑りでした。しかも、検定するラインてこんなに短くていいの?と思いました。とりあえずスピードを殺して先生の所までコブ斜面を降ります。
「だいぶ滑り込んでるね」とお褒めの言葉をいただきました。「ここに来たのは人生で先週の1回だけなんだけどね!」と心の中で私は言っていました。
残りの斜面を使ってもう一度滑ります。「やっぱり先生、コブ苦手なんだな」と確信しました。今度はスピードを殺さずにぴゅーんと先生の所に行きます。すると、
「モーグルのスタイルだね、モーグル経験者なの?さっきみたいに弧を描いたほうが点出るよ」と言われてしまいました。
私は我流野良スキーヤーであり、モーグラーではありませんが、「ハイわかりました」と言っておきました。
ここで事前講習は終わりです。再度全種目について○×▲なことを言われて、「上手ですから、自信を持ってやってください」と付け加えていただきました。
事前講習の後は、アドバイスを受けた大回りの練習に時間を使いました。アドバイス通りに、でも自分の中で慣れて違和感が消えるように、滑りこみました。
2級の時と同様、緊張してメシが喉を通らなかったので、コーラを1本飲んで、げっぷをしながらトイレに行って、検定開始時間を待ちました。
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午後になって、検定開始!
集合時間になりました。そこには、3人の同志が!よかった、ひとりじゃないって素敵ですね。
説明が始まります。「小回り、大回り、横滑り、不整地の順で検定します」とのこと。3人の検定員が自己紹介をなさり、リフトに乗りこみます。
リフトで一緒になったゼッケン2番の人と、軽く自己紹介をとかして話してたら、横滑りがわけわからん、と言っていました。私もさっきわけわからんこと言われたなぁ、と思い出しました。
あ、よく考えてみたら、彼らは全員、事前講習が既に終わった3人、つまり今シーズン中に、惜しい点数で1級に落ちた人たちの再挑戦だと考えられます。レベルをよく見ておかなければ。と考えてたら、あっという間に検定バーンに到着。
まず小回りです。ゼッケン1番なので、前走の後滑ります。あれ?2級のときはこれ不利だと思ったけど前走の直後だから有利なのでは?と思いました。
でも2級の時と変わらず、心臓が口から出そうなくらい緊張していました。また、旗が振られるのに合わせてストックを上げてスタートです。ズバッと止まって一礼。まあ、事前講習通りに滑れました。
下から3人の同志を見てると、ああ、やっぱり2級の時よりみんなうまい、と思いました。当たり前ですが。
次は大回りです。前走が止まる場所を外れても、ゲレンデの真ん中では止まらないでください、とアナウンスがありました。私は4番目に滑ります。
3人の滑りを見ます。1級検定でも、みんな結構個性的ですね。おもしろい。私の番になりました。手を上げてスタートです。意識することは、事前講習で言われた「外スキーをいつもよりちょっと前に出す」です。
そればっかり意識してたら、ターン弧が調整できなくて、私はみんなが止まっている場所の反対側で停止せざるを得ませんでした。真ん中で止まるなと言う指示に従ったのですが(これは落ちた!)と思いました。
次は横滑りです。私は3番目に滑ります。前走をじっくりと見て、そのラインを完全にトレースしてやろうと狙っていました。だから、前の二人の滑りはよそ見して見ないようにしていました。これが功を奏し、完全トレースに成功しました。滑りがどうだったかは知りませんけどね。
最後に不整地小回り。2番目に滑ります。前走の人は3本あるコブレーンの真ん中を選びました。1番目の人は、そのレーンでコブに飛ばされて脱線してしまいました。うーん、どうすべきかな?でも前走は滑れてたし、先週問題なく完走できたレーンだから真ん中でいくか。旗が降られます。
真っ直ぐ降りないように意識はしましたが、前走より速いスピードで滑りました。1個1個のコブを丁寧に板の裏で押して、板が横に動くように意識して滑りました。滑り終えたところで、めっちゃデカいため息が出ました。
つ~か~れ~た~・・・緊張するのって疲れますね。
はい、ここでみんな集まって総評です。横滑りのことをまたなんか言っています。(わからない)そして、小回りで上に抜けてる人がいることを指摘して総評は終わりました。
今回も、2級の時と同様、時間になったら紙をスクールの前に掲示します、というアナウンス。Youtubeでは他のスキー場ですが表彰式みたいなの、やってるのになぁ。
合格発表までの待ち時間
さて、また地獄の待ち時間が1時間以上ありました。私はまたスキー場を満喫するでもなく、例によって例のごとくお腹を下していました。
大回りは止まる場所が逆だったから合格点でないだろうな、とずっと頭の中に鳴り響いていました。
トイレにこもっていたら、時間はあっという間に過ぎていきました。
で、すっきりしたところで、発表時間前ですがスクール前に行きます。ほかの3人も、もう来ていました。私はもやもやした気持ちで、みんなとだべりながら待っていました。
合格発表
紙を持って先生が出てきました!不思議とみんな近寄っては行かず、それをセロテープでスクールのドアに貼り付けている姿を眺めていました。
先生に「どうぞ」と促され、近寄って行きます。「合」の文字は一つだけ。一番上にあります!私のゼッケンは1番でした。
いいぃぃぃやったぜぇぇぇぇぇうかったぁぁぁぁぁ
小回り:70、大回り:70、横滑り:71、不整地:71でした。280点が合格ラインで、282点です!でもこれってギリギリじゃない、採点システムからして余裕で合格なんだと今度は思えました。
先生から滑りのアドバイスを受けます。
「大回りは講習の時より良かった」(逆側で止まったのは失敗とみられていないようです)
「横滑りはうまくズレに乗れていた、ターンでも踏みかえがなくてよい滑りだった」(え?ターン見てたの?そんなのきいてない)
「小回りは脚をもっと動かして雪面とやり取りしなさい」(当時私には意味不明でした)
「不整地は、モーグル滑りでしたが、板がよくまわっていました」(基礎屋はモーグル嫌いなの?)
他のみんなは1種目落として279点でした。みんなうまく見えたんだけどなぁ、コブ以外は。
合格者はスクールの建物の中に入って手続きがあります。まず、公認料という謎のお金を支払い、次に半ば強制的にSAJ一時会員登録をし、会員証を受け取ります。謎の会費を徴収されます。財布の中身がギリギリでした、危なかった。
そして2級と比べ物にならないくらい大きく立派な合格証と、金色のバッジをもらいました!
こうして私はSAJの会員になったわけですが、これは有効期限があって、どこかのスキークラブに入って本登録をするとSAJのイベントとかに行けたり、さらに上のプライズ検定が受けられたり、クラブから推薦をもらって指導員を目指したりできるようです。
私は、「入らない」と即決断しました。だって、クラブとかそういうのめんどくさいし。
合格証はこれです。
バッジはこれです。
SAJ会員証はこれです(現在、絶賛有効期限切れ中)
色々とコレクションが増えていきますね。習い事の喜びとしては、こういうのってすごく楽しいのかもしれません。私には合っていないと言うだけで。
感想
検定と言うのは何ともお金がかかりますね。上の検定を受けようと思ったらもっと多くのお金が必要です。クラブの会費だってかかりますし、洒落になりません。
もう検定はいいや、と、この時に脱力しました。だって、私は検定のたびに緊張しすぎてお腹壊すんですよ?そんなのでずっと上を目指していくと私はスキーが嫌いになりそうだと思いました。
この重たい板、つかれるし、でも板借りてカービングスキーに出会って、整地の楽しみ方も変わりました。これはとてもいい経験だったと思います。
自分用の軽いオールラウンドスキーを買って、コブばっかりじゃなくていろんな斜面でかっこよく滑れるようになろう、と思いました。ある意味、検定あってこそ、こう思えた部分があります。
振り返ってみると、とてもいい経験だったのだなと思います。
スキー1級検定受験記は以上です。
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