先に言っておきます。この記事は長いです。
私のスキーに関する自己紹介は、2014年秋まで基礎にも検定にも全く興味がなかった私が基礎スキーヤーと仲良くなって一緒にスキー行くようになって、その流れで検定を受けることになった、で終わっています。この記事ですね。
約2年前の話ですが、この検定受験がなかなか苦痛かつ面白い経験だったので、お話ししておきます。まぁ、貼った記事のスキーに関する自己紹介の延長だと思ってください。
まず検定を受けるにあたって、はじめに私がどんな状況だったかをお話ししましょう。
使っている板は長年、モーグル競技用の板でした。モーグル板って、板の「くびれ」はほとんどなくて、いわゆる昔のスキーに近い形をしているんです。
カービングスキーがレース競技でも使われ始め、マニアだけでなく一般に出回りだした頃から、私はずっとモーグル板を使っていました。
ですから、「ちゃんとしたカービングスキー」でスキーをしたことがなかったのです。これは大きなハンデ!落ちても言い訳になる!(いや、そんなこと考えてなかったですけどね)
なのでまず、検定を受けろと勧めてくれた友人に「基礎の板かしてくれ」と言う所から始まりました(検定用の板を自分で買う気はなかった)。
彼は快く、彼が1級までそれで取ったということで、「ブロブロスキーが1級を取るまで」という以外は無条件で、夏山のプラスノーで使っているという板をかしてくれました。
オガサカ のkeo'sAMという板です。重い!基礎ってこんなの使ってるの?
借りものなのでメンテなしで使います。ボロボロじゃねーか。エッジも丸いねぇ。おお、相棒よ!君と出会えて僕はハッピーだ!
でも君はデザインが先進的過ぎてついて行ける気がしないね!この板、テールにデッカい文字で「覇」と書いてあります。まぁ、デザインは何でもいいでしょう。かくして、私は初めてのカービングスキーを手に入れました。
これに加えていくつかやった準備から、以下で書いていきます。
目次
- 検定種目を調べ、雑誌を買い・・・
- 全面アイスバーンで有名なスキー場に練習に行く
- 新潟県の某スキー場で受付を済まし、事前講習を見学する
- 午後になって、検定開始!
- 合格発表までの待ち時間
- 合格発表へ
- 感想
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検定種目を調べ、雑誌を買い・・・
なんとも不安な形で私のスキー検定人生は始まりました。そのうえ、今までしたことのない体験。私のスキーに点数をつけられる・・・なんだか心に暗雲が立ち込めてきました。
この時点でだいぶ、スキー検定を嫌いになりましたよ。早すぎますかね?
なになに?スキー検定はいきなり受けられるのは2級から。1級は、2級を持っていないと受けられない。友人の持っているテクニカルプライズは、1級を持っていてかつSAJ会員でないと受けられない。
ほう。これは理由が即座にわかりました。1級以上を一般に開放すると「勘違いスキーヤーが殺到するんだろうな」と。
検定種目は年代ごとに結構コロコロ変わっていて、しかも採点基準も2013-14シーズンから大きく変わったらしい。
なんだそれ?じゃあ昔の検定は、どういう意味があるの?仲間が受けた時と同じテスト受けたいんですけど・・・と思いましたが、まぁ文句ばかり言っても仕方がありません。
とりあえずいきなり上位カテゴリの検定は受けられない事がわかりました。で、SAJが私に対して門戸を開いている中の最高峰であるバッジテスト2級から受けることにしました。
そうと決まれば、とりあえず1級以上の検定には目もくれず、2級の情報を漁ります。
検定種目は、「基礎パラレルターン大回り」「基礎パラレルターン小回り」「シュテムターン」の三つ。合格点は三種目合計で195点、一種目65点を取ればいいという事らしい。種目ごとの足きり点はなく、失敗しても他の種目で挽回可能なシステムのようです。
パラレルターンの頭についている「基礎」って何ぞ?調べてもわからん!「シュテムターン」はきいたことがある、「曲がるときだけボーゲンするやつ」でしょ(適当)!・・・調べた結果、当時はこの程度の認識しかできませんでした。そう、そのくらい私は「野良」のスキーヤーだったのです。
正直この時点で、わけわかんねーことさせやがって、と思いました。
でも受けると言ったからにはやろう、と情報を求めてスキー雑誌を買います。1、2級検定特集のやつでDVDがついています。2級を取るまでは、1級の所は観ませんし読みません。
しかし結局、雑誌を読んで、DVDを観てもこれがまた、野良スキーヤーには何言ってるかわからない。
いいや、少しはわかったよ、そのシーズンから「外足に乗る」が基本になって「外向傾」が大事になったんですね!
・・・そんなの当たり前だろ!え?今まで違ってたの?嘘でしょ?
またまた、ぐちゃぐちゃ文句ばかり言っても仕方がありませんので、私は基礎スキーに過剰適応を始めます。DVDを繰り返し観て、ついでに友人に撮ってもらった私のダサいスキーの動画も観ます。
「基礎パラレルターン」は、ズレに乗って滑るということだな(適当)!と解釈されました。
うん、いけそう。これが雑誌を見た感想でした。
全面アイスバーンで有名なスキー場に練習に行く
借りた板で、初めて乗るカービングスキー、そいつに初めて乗るときが検定、というのはさすがに危険すぎると私の勘が察知しました。
カービングスキーがどんなものか知るにはアイスバーンだろ、と思って私はasama2000というカチコチなゲレンデで有名なスキー場へ一人で向かいました。友人からは「スクールに入れ」と言われましたが、「我流、野良」が検定受けるから面白いんだよ!と放言しました。
さあ、初めてのカービングスキーです。バーンは噂のasama2000のカチコチです。まずは大回りをしてみます。カービングスキーに乗ったことのない私は、昔ながらのスキーヤーにありがちな、過剰に脚をひねって舵取りする癖がありました。
客観的に見ないで滑っててもわかる、明らかな外向過多の腰ハズレのズレズレターンになりました。その瞬間、やっぱり、このまま検定受けなくてよかった、「うん、いけそう」じゃねーよ、と思いました。
午前中は、ひたすら「板の方向との腰の正対」を意識して練習しました。これでなんとなく、「カービングスキーが簡単に曲がる」というのを理解しました。アイスバーンでも板のしなりでぐにゅーんと曲がる!すごい!と。
でも、検定種目はズレに乗る「基礎パラレルターン」です。午後から、DVDで観た先生が滑っている姿を思い出しながら、勝手な自分の解釈で、少し外向具合を戻してズレに乗ったターンをするよう心がけました。
そして小回りですが、DVDで観た先生を思い出してやってみます。「腰から上がフォールラインを向いて、板のトップが左右に動くように」と意識して。まぁ、これは大丈夫かな?と思いました。慣れた滑り方で行こうと決めました。
次は、問題のシュテムターンです。雑誌とDVDだけが情報源でした。そこで先生が言っていた事を私が勝手に解釈した結果、「開脚したときの、外足付け根のターン外側への折れ曲がり(つまり外傾)を保ったまま、ターン前半(谷回り)のうちから足をそろえ始めていく」となりました。
これまた、意識してやってみると最初は外向が強く出ましたのでそれを修正したら、1日が終わっていました。
新潟県の某スキー場で受付を済まし、事前講習を見学する
さて、練習は一日だけで、早速検定を受けてみることにしました。日程を調整してたら、新潟県の結構有名なスキー場へ一人で出向いて検定を受ける流れに。
2級にも任意の事前講習がありましたが、料金が高いので「そんなものはいらん!」と突っぱねました。(いや、こんな傲慢に言ってはいないですよ)
検定の申し込みだけして、検定料を支払いゼッケンを受け取って、一人で練習することに。
午後から検定という事で、各種目を一通り練習したら、「疲れてたらパフォーマンスが落ちる」と言い訳をつけて滑るのをやめ、2級の事前講習を見学していました。
なかなかみんな個性的ですが、私のスキーと違う。私は大丈夫なの?と思いました。でも私は、今回は落ちてもいいから自分で雑誌で調べて咀嚼したことを信じようと思いました。
同じバーンで1級の事前講習もやっていましたが、「横滑り」を見て、なかなか面白いことをするなぁ、と思っていました。
そんなこんなで、昼になります。ここまで言っていませんでしたがめちゃくちゃ不安だったので、メシがのどを通らず、パンを一つ、飲み込むように食べて昼食は終了。いざ検定です!
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午後になって、検定開始!
集合場所に行きます。「2級検定のひと」と呼ばれて行ってみると、そこには、15人ほどのゼッケンをつけた受験者がいました。結構子供が多いです。父母と思われる方も周りにたくさんいます。
大回り、小回り、シュテムターンの順で滑ってもらいます、と説明を受けた後、検定員の方についていき、ついに検定バーンの上に到着します!心臓が口から飛び出そうです!
私の滑走順は7番目くらいでした。受け付け順なんですねぇ。でも、種目ごとに順番のローテーションがありました。そりゃあ、あとから滑るほうが斜面状況把握できるし、全種目最初に滑ったら損だよなぁ、なるほどと思いました。
大回りの検定滑走開始です。前走が滑って行きます。これを見たときは「雑誌で言ってたようなことを大袈裟に強調して滑ってるな」と思いました。
待ち時間のことは、緊張していてほとんど覚えていません。下で旗が振られて、みんなストックを上げてからスタートしていきます。この間、ゼッケン番号が隣の中学生と、会話をしていました。
自分の番が回ってきました。もう緊張で吐きそうです(笑)
旗が振られると、私は見よう見まねでストックを上げて、練習した通りを意識して大回りを披露、ズバッと止まってぺこりと一礼し、下で見ている皆に混ざりました。検定員さんは紙に何か書いています。
先リフト乗って上行ってもいいよと言われたので、あとで滑る人の見学はせず、検定バーンの上にさっさと行きました。
リフトに乗っているとき、緊張で歯ががちがち鳴ったのを鮮明に覚えています。なにこれ、スキーを知人以外に評価されるのってこんなに不快なの?って思っていました。
バーンの上に到着すると、もう大回りの検定は終わっており、先にバーンの上にあがった人と、見学していた人が、それぞれ自主的に秩序だって滑走順に列を作っていきます。子供もいるのに、すごいな。よく統制されている。
私は小回りの開始まで、また隣の中学生と話していました。他愛のないことをです。彼には感謝しています、少し緊張をほぐしてくれましたから。
小回りは(確か)2番目に滑りました。これについては特に意識せず、いつも通りの小回りをしただけです、ズバッと止まって一礼する以外は。
大回りの後と同じ流れでシュテムターンへ。先に滑る人たちの中には、混乱してシュテムターンになっていない人がいます。みんながみんな練習してからくるわけじゃないし、雑誌で情報を仕入れているわけじゃないという事がここでようやくわかりました。
私はまた、練習通りを意識してのシュテムターンを演技して、検定は終わりました。検定の後には、滑り終えた場所で集合して総評があります。
「暴走」している人が多かった、とか「内倒」している人が多かったと総評されました。私は自分のことは棚に上げて「確かに」と頷いていました。
合格発表は、みんなの前で呼ばれたりせず、紙を張り出すだけだとアナウンスがありました。
合格発表までの待ち時間
もう、気分はどん底でした。何の根拠もなく「落ちた」と確信めいたものまで持っていましたね。私はスキースクールに入ったことがないからみんなと違うんだ・・・と(それって、悪いことじゃないのにね)。
1時間以上の待ち時間がありましたが、足りなかった昼ご飯を補充するでもなく、初めて来たこのスキー場を満喫するでもなく、モヤモヤとした気持ちで、レストハウスで座って腐っていました。
合格発表へ
合格発表時刻の直前に、私はお腹を下してトイレに行きました。どんだけメンタル弱いんだ(笑)
なので、発表場所に着いた時にはもう紙が張り出されており、人だかりになっています。最初に言いましたが15人くらいの受験者がいました。父母も紙にたかっています。
エクセルで作られた表の中に、「合」の文字があるゼッケン番号と、空欄の番号があります。
人だかりの外から、合格者は2人であることがすぐにわかりました。合格率低いんだなぁ、やっぱ駄目だったかな、と近づいていくと、私のゼッケン番号の横に「合」の文字が!
受かった!いぇぇぇぇぇあぁぁぁぁぁぁぁ
点数を見ると、大回り:67、小回り:66、シュテム:66と書かれていました。195点が合否のラインで、199点。
「ギリギリだったな、危なかった」と思って表をよく見てみると、私以外に66点がついているのはもう一人の合格者の一種目のみ。ブッチギリのトップ合格でした。
あとの人の点数は、コケた人は「63」で、あとはすべて「64」「65」で埋め尽くされていました。ええ?もっとレベル差あったのにな、と思いましたが、察しました。絶対評価の点数じゃないんだな、と。
合否関係なくひとりひとりに対して、検定員がスキーのアドバイスをくれます。よく全部覚えてるなと感心。私が言われたのは、要約すると「大回り、外向強いんじゃない?」「さっさと1級取ってください」でした。
合格者はスクールの中に来てくださいと言われ、「おめでとう」と言われて公認料という謎のお金を払い、合格証・バッジをもらいました!
合格証はこれです。
日付まで黒塗りなのは、手書きで書かれているから筆跡でどこのスキースクールのどこの検定員まで特定されかねないからです。
バッジはこれです。
感想
もう検定受けたくねぇぇぇぇぇ
が感想でした。でも、ここでやめられない理由があります。友人は「1級を取るまで」といって板をかしてくれたし…
傲慢かまして受けに行ったのに、雰囲気にのまれて完全にメンタル不調を起こしました。受かった時には少し解放されましたが、これは序章に過ぎないので、ここから1級を取るまで私のメンタル不調は続くのでした。
こうして初めてのスキー検定は終わりました。 こんなに怖い物だったなんて正直想像もしていませんでしたよ。
2級の難易度?正直言って目指してる人には悪いですが、我流スキーヤーでも、歴の長い人なら種目を理解していけばけっこう簡単だと思います。攻略法はのちにブロブロ君を使って書いていきますのでお待ちください。
1級受験記はこちらです
2級対策記事はこちら
管理人のスキー歴はこちらです