私は荷造りが苦手でした。
子供のころも、時間割表を見て荷造りをするんですが、連絡帳(懐かしい!)を見忘れたり、そもそもそれを書き取れていなかったりして、まぁよく忘れ物をしていました。
大人になってもその性質はバッチリ残っていて、旅行に出かけるときの荷造りは何度も確認して「歯ブラシ、ヨシ!ゼロ災でいこう、ご安全に!」とかやっても、やっぱり忘れ物をしていました。
ふざけてませんよ、いや、荷造りの時に「ゼロ災」とかはふざけてますけど、指差し確認は良い手段です。身体感覚と視覚で確認できますから。そして一瞬考える時間をくれますからね。
しかしそれでもなお、私は忘れ物が結構ありました。
そして忘れ物をしたらよく自分を責めていました。私は愚かだ、あの時こうしていれば気づけたのに、と。
でも、こうして後悔を重ねるほど、追い詰められていくんですよ。私は失敗した、失敗は悪いことだ、と考えていると。
それが次に荷造りするときにプレッシャーになってスパイラルになるんです。ストレスは判断力を低下させます。自分を追い詰めても忘れ物癖は治らないですよ。
ちょっと考え方を見直してみましょう。こうしたら私は忘れ物が減った(なくなってはいない)という話です。
目次
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失敗に意味づけをしない
「失敗には必ず反省点があって、それをもとに人は成長し、のちに成功しなければならない」という考えは捨てることです。特に、失敗によるダメージの大きさに応じて自分の行動の善悪を決めるのは即やめてください。
失敗したことそのものに、影響力はあっても意味はありません。原因はあっても意味はありません。
影響、つまりこの話題で言えば忘れ物をしたことによるダメージは、仕方ないので受けるしかありません。それで終わりです。「失敗をした報いだ」とか、そういう方向に行かないこと。
原因、これも単なる事実であって、善悪などありません。物理的な原因が思い当たるなら、「これが原因だ」と考えるにとどめてください。
自分や他人の気持ちや言動に原因がある、という考えは善悪をつけています。意味がないのでやめましょう。
さて、タイトルの通り精神論をぶちかましましたが、これだけできれば多分忘れ物はだいぶん減るでしょう。
意味がわからない?まぁそうですよね。
なぜか。理由は二つあります。ひとつは物理的原因を見つけられるようになるからです。もうひとつは、強迫観念が消えるからです。
自分は忘れ物をよくする(だから悪い)、と思いながら荷造りをすると、ストレスで注意が散漫になります。自分を含む「人」に原因を求めていたら、ミスはなくなりません、人は失敗をしますから。
精神論はこのくらいにして、忘れ物がもっと減る方法も書いておきましょうか。
物理的原因には、「仕組み」で対処する
失敗の原因に心当たりがあるなら、それが物理的に起こりえない仕組みを作るのが最短コースです。仕組みというのは、人の判断に頼ったものではいけません。
「次からもっと気を付ける」「痛い目に遭ったことを思い出す」とかは全然ダメです。そればかりに気を取られて別の失敗をするのがオチでしょう。
忘れ物をするのは、「必要なものがそろっているか確認できない」ことが原因ではないですか?
なので、荷造りだったらド定番の「チェックリスト」を使うことです。スマホ時代ですが、紙の方がいいですよ。ネットで拾ってきて、印刷するか紙に書けばいいですね。オリジナルでつくるならば、旅行や出張の直後に作るといいです。そのとき持って行ったものと、なくて困ったもの、忘れた物を書けばいいんですから。
あ、出かける直前にオリジナルチェックリストを作るのは、何も見ずに荷造りするのと同じですよ!
リストを見て、そこに書いてある物をカバンの中にいれてから、リストにチェックをつけるだけです。「今回要らないもの」は線でも引いて消しましょう。全部チェックがつくまで荷造りをやめない。はい、これだけです。
「判断」は疲れる。できるだけ減らそう
忘れ物対策にチェックリスト、という極ありふれたことを書いていますが、こうして単純な作業はルールに従えば完了するように仕組みを作って、人間が判断を下す機会を減らすのは「失敗」を減らすことにとても役立ちますよ。
余計なストレスも低減できますし。判断するのって、疲れるんですよね。
冒頭で話したような、時間割と連絡帳の二つの情報源があるのは混乱しますよね。しかも連絡帳は流動的で、口頭で伝えられることのメモ、または黒板に書かれたものの書き写し作業があり、これは連絡帳に従って、あとは時間割に従う、といったように、人にゆだねられてる部分が多いんですよ。
「連絡帳>時間割」という優先順位がつけられているはずですから、それに従って情報を統合する仕組みをこちらで作っておいて、あくまでひとつの情報源から荷造りをすると忘れ物は減るでしょうね。
忘れ物に限らず、「単純な失敗」を減らすのに仕組みを作ることは有効な手段です。
結局何が大事だと言いたかったかというと、単純な失敗は人間のせいにしないで物理的な原因を探し、その「物理的な原因」と「人間の判断」を遠ざけましょう、ということです。しつこいですが、人間は失敗しますから。